訃報を受けたもののお通夜・葬儀への参加がどうしても難しい場合は、お悔やみの手紙や弔電を送るのがマナーです。ここではお悔みの手紙を送る際のマナーについて、文例や送るタイミング、弔電との違いなどと併せ、詳しく解説します。
お通夜や葬式に欠席せざるを得ないときは、お悔みの手紙や弔電をお送りするのがマナーです。
特に香典を郵送する場合は、お悔やみの手紙に香典を「現金書留」として同封し、お送りする必要があります。
お悔みの手紙は訃報を受けてすぐに送るのが基本で、遅くとも「初七日」まで、故人が亡くなってから7日以内に送るのがマナーとされています。
また通夜や告別式で弔電が読み上げられることがあるため、弔電は通夜の前日か告別式の1時間前までに届くよう手配するのが一般的です。
ただ、初七日を過ぎてから訃報を知るケースも少なくありません。そのような場合は後日弔問に訪れるのが望ましいですが、ご遺族が弔問を望まないケースも少なくありません。
初七日を過ぎてからの弔問も難しい場合は、訃報を受けてからできるだけ早く遺族に弔意を伝えるため、お悔やみの手紙をお送りしましょう。
参列できない通夜・葬儀において、故人への弔意を伝えるという意味では、お悔やみの手紙も弔電も基本的に同じものです。
ただ弔電は、送った弔電を読み上げる「弔電披露」が、告別式の中で行われるのが一般的です。お悔みの手紙の場合、告別式などで読み上げる機会は基本的にありません。
一方で、香典を郵送する場合はお悔みの手紙をお送りします。弔電では香典を一緒に送付することができないからです。香典を郵送する場合は、お悔やみの手紙に同封する形でお送りしましょう。
弔電の手紙と弔電は、若干の違いはあるものの、故人への弔意を伝えるものという意味で同じものです。
そのため、「どちらを送るべきか」といったマナーはありません。故人との関係性や、後日弔問に訪れるか、香典を郵送するかなど、必要に応じて適宜判断すれば問題ありません。
言葉 | 読み方 | 意味 | 例文 |
---|---|---|---|
逝去 | せいきょ | 身内以外の方が亡くなった際に使用する「死ぬ」の敬語。 | ご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申しあげます。 |
悲報 | ひほう | 悲しい知らせ。 | 突然の悲報に接し、誠に痛惜の念もひとしおです。 |
訃報 | ふほう | 人の死の知らせ。 | 突然の訃報に接し、誠に痛惜の念もひとしおです。 |
悼み | いたみ | 人の死を嘆き悲しむ気持ち。 | ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。 |
謹んで | つつしんで | 敬意を表してうやうやしく、かしこまって物事をするさま。 | 謹んでお悔やみ申し上げます。 |
哀悼 | あいとう | 人の死を悲しみいたむこと。 | 謹んで哀悼の意を表します。 |
衷心 | ちゅうしん | 心の奥底からの思い。ほんとうの気持。 | 衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。 |
惜別 | せきべつ | 別れを惜しむこと。 | ご逝去に際し、惜別の念を禁じ得ません。 |
拝察 | はいさつ | 「推察」の謙譲語。 | ご遺族様のお悲しみいかばかりかと拝察いたします。 |
厚情 | こうじょう | 思いやりの深い気持ち。 | ご生前のご厚情に深く感謝いたします。 |
痛惜 | つうせき | ひどく悲しみ惜しむこと。 | 突然の悲報に接し、誠に痛惜の念もひとしおです。 |
夭折 | ようせつ | 年若く死ぬこと。 | ご子息様のご夭折を知り、悲しみにたえません。 |
ご尊父様 / お父様 | ごそんぷさま / おとうさま | 身内以外の実父に対する敬称(故人が喪主の父)。 | ご尊父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご岳父様 | ごがくふさま | 義理の父に対する敬称(故人が喪主の義父)。 | ご岳父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご母堂様 / お母様 | ごぼどうさま / おかあさま | 身内以外の実母に対する敬称(故人が喪主の母)。 | ご母堂様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご岳母様 | ごがくぼさま | 義理の母に対する敬称(故人が喪主の義母) | ご岳母様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご祖父様 / お祖父様 | ごそふさま / おじいさま | 祖父を敬い親しんで呼ぶ語。 | ご祖父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご祖母様 / お祖母様 | ごそぼさま / おばあさま | 祖母を敬い親しんで呼ぶ語。 | ご祖母様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご主人様 / 旦那様 | ごしゅじんさま / だんなさま | 相手の夫。 | ご主人様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご令室様 / 奥様 | ごれいしつさま / おくさま | 相手の妻。 | ご令室様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご子息様 / ご令息様 | ごしそくさま / ごれいそくさま | 身内以外の息子に対する敬称。 | ご子息様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
お嬢様 / ご令嬢様 / ご息女様 | おじょうさま / ごれいじょうさま / ごそくじょさま | 身内以外の娘に対する敬称。 | ご息女様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご令兄様 / 兄上様 | ごれいけいさま / あにうえさま | 身内以外の兄を敬った言葉。 | ご令兄様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご令弟様 / 弟様 | ごれいていさま / おとうとさま | 身内以外の弟を敬った言葉。 | ご令弟様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご令姉様 / 姉上様 | ごれいしさま / あねうえさま | 身内以外の姉を敬った言葉。 | ご令姉様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
ご令妹様 / 妹様 | ごれいまいさま / いもうとさま | 身内以外の妹を敬った言葉。 | ご令妹様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
伯父上様 / 伯父様 | おじうえさま/ おじさま | 故人が喪主の兄の場合の敬称。 | 伯父上様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
叔父様 / ご令淑 | おじさま / ごれいしゃく | 故人が喪主の弟の場合の敬称。 | 叔父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
伯母上様 / 伯母様 / ご令伯 | おばうえさま / おばさま / ごれいはく | 故人が喪主の姉の場合の敬称。 | 伯母上様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
叔母様 / ご令淑 | おばさま / ごれいしゃく | 故人が喪主の妹の場合の敬称。 | 叔母様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
お悔みの手紙は縦書きで、「主文」「末文」「後付け」という3構成で組み立て書きます。
時候の挨拶などは不要で、主文の最初で「ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます」などのお悔やみの言葉を述べ、続けて「突然の訃報に驚くとともに、ご生前に賜った格別のご厚情を思い、悲しみを深めております」など、訃報に対する驚きや遺族への慰めの言葉を記します。弔問できないことについても、「すぐにもお慰めに飛んでまいりたい気持ちですが、遠方により、それも叶わず残念でなりません」などのお詫びを述べましょう。
香典を同封する場合は、「心ばかりのものを同封いたしましたので、御霊前にお供えください」といった一文を添え、「ご冥福をお祈りいたします」など故人を悼む言葉で結びます。
最後に後付けとして、「日付」「差出人」「宛名」の順に書きます。差出人住所は封筒の裏面に記載するので、後付けに書く必要はありません。
お悔みの手紙は、故人へ哀悼の意を表すために、薄墨を利用するのが昔ながらの作法とされています。
しかし墨を使う機会が少なくなった現在では、筆ペンや万年筆、ボールペンでお悔みの手紙を書いても特に礼を失しないとすることが多くなっています。ただ、その際も薄い黒のインクを使うことが望ましいです。
またお悔みの手紙では、敬称の使い方にも十分ご注意ください。敬称は「お父様」「お母様」「ご主人様」「奥様」「ご子息様」「御令嬢様」など、故人と喪主の関係性を考慮したものを使用します。
またお悔みの手紙の中で、故人の死因を尋ねるのは厳禁です。「四(死)」「九(苦)」「くれぐれも(重ね言葉)」「再び(繰り返し言葉)」などの忌み言葉も使用は避けましょう。
訃報は突然受けることが少なくないため、お悔やみの手紙を用意する時間がないケースもよくあります。そんな時、電報の弔電を利用する方が数多くいらっしゃいます。
弔電はフォーマルなものから線香、花をセットになった台紙まで、幅広く弔事用台紙が用意されており、文面もパソコンやスマホなどで記入できるので、急な訃報にもすぐにお悔みの気持ちをお伝えすることができます。
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