選挙の際には、「陣中見舞い」「出馬表明祝い」「事務所開設祝い」「当選祝い」といった言葉がよく聞かれます。中にはこれらを「すべて同じ」と思われる方もいるかもしれませんが、厳密には異なり、場合によっては政治資金規正法や公職選挙法に違反してしまう恐れもあります。
今回は選挙の「陣中見舞い」の基本マナーについて、「出馬・当選祝い」などの違いや注意点、立候補した方への応援メッセージ文例と併せ、解説します。
「陣中見舞い」と「出馬表明祝い」「事務所開設祝い」「当選祝い」は明確な違いがあります。それは「選挙期間中」であるか、「選挙期間外」であるかという点です。
まず、政治家の政治活動に対する金銭等（現金・有価証券）の寄付は、政治資金規正法で原則禁止となっていますが、これには「選挙運動を除く」という条件が付いています。つまり、選挙期間中（運動中）であれば金銭等を含んだ寄付が可能となるのです。
政治資金規正法第二十一条の二
何人も、公職の候補者の政治活動（選挙運動を除く。）に関して寄附（金銭等によるものに限るものとし、政治団体に対するものを除く。）をしてはならない。
選挙の「陣中見舞い」は、原則選挙期間中に行うものです。選挙期間は「選挙の公示日から投票日の前日まで」となるため、その間に贈る陣中見舞いであれば、物品のみならず金銭を含んだ寄付が行えるのです。
対して「出馬表明祝い」や「当選祝い」などは、いずれも選挙期間外に行うものです。そのため「当選祝い」として現金を包むことはできません。お祝いの花などの物品のみ贈ることができます。
また政治資金規正法では、陣中見舞いや当選祝いに限らず、政治家への寄付額は年間150万円までという上限が定められています。
政治資金規正法第二十二条2
個人のする政治活動に関する寄附は、各年中において、政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては、百五十万円を超えることができない。
金銭・物品の合計額が年間で150万円を超える寄付は、政治資金規正法違反となってしまいます。陣中見舞いだけでなく、出馬祝いや当選祝いによる寄付も検討されている場合は、その総額にご注意ください。
選挙期間中の「陣中見舞い」であれば、物品だけでなく金銭等（現金・有価証券）の寄付が行えます。
しかし、陣中見舞いで物品を贈る際には注意が必要です。公職選挙法で選挙期間中に飲食物を提供することは禁止されているからです。
公職選挙法第百三十九条
何人も、選挙運動に関し、いかなる名義をもつてするを問わず、飲食物（湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子を除く。）を提供することができない。
これにより、「陣中見舞い」と称しお酒を贈ることはできなくなっています。コーヒーを含むお茶や軽いお茶菓子程度なら例外とされていますが、「昔はコーヒーもダメだった」「今でもケーキはNG」といった話もあります。
そのため、陣中見舞いでは「飲食物は贈らない」と線引きしたほうが無難でしょう。
日本の選挙における「陣中見舞い」「出馬表明祝い」「当選祝い」などの寄付は、公職選挙法や政治資金規正法で厳しい制限が設けられています。
有権者として「頑張ってほしい」という善意から寄付したのに、場合よってはそれが法律違反となり、立候補した方に多大な迷惑をかける可能性も…。
だからこそ陣中見舞いや当選祝いでは、「有権者の声」と「応援の気持ち」を一緒に伝えられる電報（祝電）がぴったりです。祝電を使えば、ルールを守って、公正な選挙活動を応援することができるからです。
祝電には漆塗りの高級台紙や、胡蝶蘭やプリザーブドフラワーといったフラワーギフトとセットとなったものなど、選挙時の応援に最適な祝電台紙が豊富にあります。
お世話になった方や親しい知人、積極的に支持したい方の選挙を応援する際には、ぜひ祝電をご利用ください。
選挙の「出馬表明」や「陣中見舞い」「当選祝い」で使用できる応援メッセージ文例をご紹介します。
こちらの文例はそのまま使用していただくことも、改変してオリジナルのメッセージとすることも可能ですので、ぜひお気軽にご利用ください。
ご出陣おめでとうございます。栄えある選挙に出馬できたのは、これまでのあなたの弛みない努力の賜物です。厳しい戦いが予想されていますが、家族はいつもあなたの味方です。勝利を心からお祈りいたします。
| 文例番号 | 3601 |
|---|---|
| 文字数 | 96文字 |
いよいよ選挙も終盤ですね。勝利を確信してはおりますが、残る数日、開票のその瞬間まで、皆様一丸となりての奮闘、奮戦を期待しております。
| 文例番号 | 3702 |
|---|---|
| 文字数 | 66文字 |
選挙期間中の陣中見舞いでは、贈るタイミングや寄付品、贈り方に気を付ける必要があります。
繰り返しになりますが、「陣中見舞い」は「選挙期間中」に贈るものとなります。選挙が始まったタイミングで寄付品が届くようにしましょう。
選挙期間は選挙の種類によっても異なり、「参議院議員選挙」では17日間、「町村長選挙 / 町村議会議員選挙」では５日間となっています。陣中見舞いを贈る際には、選挙期間についても事前に確認しておきましょう。
また選挙期間は、「選挙の公示日から投票日の前日まで」となります。公示前や投票日当日の寄付は陣中見舞いとなりませんのでご注意ください。
陣中見舞いの金額相場は、おおむね1万円～5万円前後となることが多いようです。
ただ政治家への個人寄付は、年間上限が150万円までと定められているため、陣中見舞い以外にも、特定の政治家へ定期的に寄付を行っている場合は、陣中見舞いの額も低くなる点は注意が必要です。
選挙中の飲食物の寄付は、公職選挙法で禁止されています。そのため陣中見舞いで定番の贈り物と言えば、「フラワーギフト」「祝電」「現金」が挙げられます。
金銭等の寄付は選挙期間中にのみ許されるため、紅白蝶結びの水引が付いたのし袋に現金を包み、陣中見舞いとして寄付する方も少なくありません。
なお、中には「出馬表明」のタイミングで「陣中見舞い」を贈ろうとする方もいらっしゃいますが、出馬表明は選挙前（期間外）に行うものですので、これは「出馬表明祝い」となります。選挙期間外の出馬証明祝いでは、金銭等の寄付は禁止となりますので、ご注意ください。
陣中見舞いを渡す方法は、「選挙事務所に直接伺う」「選挙事務所に送付で届ける」の２パターンに分かれます。
中には「送付で届けるのは失礼にならないか？」と心配される方もいらっしゃいますが、選挙中の事務所は多くの人が出入りし、立候補した方も街宣活動で忙しいため、事務所に直接伺うとかえって迷惑となってしまう可能性もあります。
もちろん立候補した方と近しい関係だったり、ボランティアとして選挙活動を支援したりする場合は、事務所に伺い陣中見舞いをお渡しする方がいいこともあります。いずれにせよ「どちらがいい」とは一概には言えません。
陣中見舞いをお渡しする方法は、選挙事務所の状況なども踏まえ、適宜判断しましょう。
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陣中見舞い・当選祝いなどで祝電をご検討の際には、ぜひ「でんぽっぽ」をご利用ください。
