【マナー】弔電を送る際に知っておくべき「忌み言葉」や宛名の書き方とは?
弔電を送る機会が突然訪れてもマナーが分からずあわててしまうのは避けたいところ。そこで今回は、30代から50代の男女430名を対象に、弔電に関してのアンケート調査を実施しました。その結果を元に、弔電のマナーや忌み言葉などについてご紹介します。
弔電を送ったことがある人はどのくらいいる?
今回のアンケート回答者のうち、「弔電を送ったことがある」と答えた方は40.7%でした。
つまり、5人に2人ほどの割合で弔電を送ったことがあるという結果になりました。弔電を送る機会は意外と多いようです。
なお、弔電を送ったことがあると答えた方の2割が30代、3割が40代、4割が50代でした。年齢を重ねるごとに弔電を送る機会が増えることが分かります。
弔電のマナーについて「よく知っている」のはわずか9.1%
弔電を送った経験がある方に対して「弔電のマナーについてどの程度ご存知ですか?」と質問したところ、弔電のマナーについて「よく知っている」と答えた方はわずか9.1%という結果になりました。
一方、「あまり知らない」「知らない」と答えた方の合計は49.2%。半数近くの方は、弔電のマナーについて自信がないようです。
弔電のマナーについて「自信がないもの」とは?
弔電のマナーについて「よく知っている」と答えた方を除く414名の方に、弔電のマナーについて自信がないものを回答いただいたところ(複数回答可)、最も回答数が多かったのは「どんな文面がよいか」で、実に62.6%の方が弔電の文面について自信がないことが分かりました。
次点以降も、「送るタイミング」が51.7%、「敬称の使い方」が49.5%と続いていることから、弔電に関するさまざまなマナーに対して自信がないと感じている方が多いようです。
以下では、「自信がない」と答えた方が多かったものから順に、弔電のマナーについて具体的に見ていきましょう。
どんな文面が良いか
日本では葬儀の形式は「仏式」で行われることがほとんどですが、宗教によって葬儀に対する考え方や形式が違うため注意が必要です。葬儀の形式がキリスト教や神道の場合、仏式で使われる「供養」「成仏」などの言葉は控えましょう。
また、最近の傾向として家族葬や無宗教葬も増えてきているので、弔電を送る前に葬儀形式について確認しておくことをおすすめします。
以下は、宗教別の文例です。
- 仏教の場合
「●●様のご訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします」
「●●様のご生前の功績を偲び、心からお悔やみ申し上げます」
- キリスト教の場合
「神の御許に召されました●●様が、安らかな眠りにつかれますよう心よりお祈り申し上げます」
「●●様と私が出会えたことを神に感謝いたします。安らかな旅立ちでありますよう、心よりお祈り申し上げます」
弔電を送るタイミング
一般的には、お通夜や告別式の当日に届くように手配しましょう。お通夜や告別式の開始に間に合わなければ失礼にあたります。最低でも開始時間の1時間前には届くようにしておきましょう。
弔電での敬称の使い方
弔電では、故人のことを「敬称」と呼ばれる「故人と弔電の受取人との続柄」を表す言葉で呼称します。
以下に代表的な敬称をまとめました。
- 受取人の実父……ご尊父(そんぷ)様、お父様
- 受取人の義理の父……ご岳父(がくふ)様
- 受取人の実母……ご母堂(ぼどう)様、お母様
- 受取人の義理の母……ご岳母(がくぼ)様
- 受取人の夫……ご主人様、ご夫君(ふくん)様
- 受取人の妻……ご令室(れいしつ)様、ご令閨(れいけい)様
- 受取人の兄弟……ご令兄(れいけい)様、ご令弟(れいてい)様
- 受取人の姉妹……ご令姉(れいし)様、ご令妹(れいまい)様
- 受取人の息子……ご子息(しそく)、ご令息(れいそく)様
- 受取人の娘……ご息女(そくじょ)、お嬢様
弔電を誰宛てに送るか(宛名)
基本的に、弔電の宛先は喪主の名前です。斎場では複数の葬儀が行われている可能性があるため、取り違いが起こらないように必ずフルネームで送ってください。
もし、喪主の名前が確認できない場合は以下のように記載すると良いでしょう。
例) 「●●(故人名)様 ご遺族様」
「●●(故人名)様 遺族ご一同様」
弔電をどこに送るか(送り先)
弔電は、お通夜や告別式が行われる場所に送るのが一般的です。多くは斎場で行われますが、寺院や自宅で行われる場合もあるので場所を必ず確認しておきましょう。
弔電での差出人の書き方
お通夜や告別式には多くの弔電が届きます。誰から届いたのかがご遺族の方に分かりやすいよう、配慮が必要です。
弔電を送るときの差出人の書き方は、ご遺族から見て故人との関係性が分かるように、会社名や学校名、肩書や団体名などを記載しておくと丁寧です。
また、連名の場合は目上の方から順に名前を並べるのが一般的ですが、人数が多い場合は「●●一同」とすると良いでしょう。
例) 「●●中学 ●年卒業生 ●●●●(差出人の氏名)」
「●●会社 ●●部一同」
弔電には、避けるべき「忌み(いみ)言葉」があるので要注意
「弔電で避けるべき『忌み言葉』をご存知ですか?」という質問では、アンケート回答者の74.2%が忌み言葉について知らないという結果が出ました。
弔電の忌み言葉は、従来に比べて気にする方も少なくなりつつありますが、ご遺族の方の気持ちを察すると忌み言葉の使用はできるだけ避けるのがマナーといえるでしょう。
例えば以下のような言葉が挙げられます。
(1) 重ねる言葉
重ね重ね たびたび ますます 繰り返し など
(2) 不幸を連想させる言葉
死亡 苦しむ 浮かばれない 続く
音が不吉な言葉(「九」、「四」) など
なお、「忌み言葉について知っている」と回答した111名の方に、「あなたが知っている、弔電で避けるべき『忌み言葉』を教えてください」と自由記述方式で尋ねたところ、「重ね言葉」と「不幸を連想させる言葉」の両方を挙げた方はわずか7名でした。
おわりに
故人と差出人の関係性、故人が信仰していた宗教などによって弔電のマナーは異なります。お通夜や告別式を行う場所、宗教については、必ず確認しておくようにしてください。
お悔やみの気持ちを伝える弔電だからこそ、ご遺族の気持ちを考えて慎重に言葉を選ぶ必要があります。忌み言葉や避けるべき言葉を覚えておくと、弔電を送る際に役に立つでしょう。
調査概要
調査区域:47都道府県
調査方法:インターネットリサーチ
実施期間:2017年11月24日~12月1日
有効サンプル数: 430(30歳~59歳の男女)