春秋の叙勲・褒章や、文化勲章などについては、毎回メディアでも大きく取り上げられているので、耳にする機会もあることでしょう。ここでは叙勲・褒章についての基礎知識と、祝電を贈る際に役立つ情報を取り上げます。
叙勲・褒章は、国家や公共に対して功労のある方や、社会の各分野で優れた功績のある方などを表彰するものです。よく知られている春秋叙勲・褒章(毎年4月29日・昭和の日と、11月3日・文化の日に授与)や、文化勲章(同11月3日)の他にも、いくつかの種類があります。
叙勲には、一般に知られている「春秋叙勲」や「文化勲章」の他、「危険業務従事者叙勲」(警察官、自衛官など著しく危険性の高い業務に精励した者に授与)や、「高齢者叙勲」(春秋叙勲で勲章を授与されていない功労者が88歳に達した機会に授与)などがあります。
春秋叙勲 | 各界の功労者に対して授与 |
危険業務従事者叙勲 | 警察官、自衛官など著しく危険性の高い業務に精励した者に対する叙勲 |
高齢者叙勲 | 春秋叙勲によって勲章を授与されていない功労者に対しては、年齢88歳に達した機会に勲章を授与 |
死亡叙勲 | 勲章の授与の対象となるべき者が死亡した場合には、春秋叙勲とは別に随時勲章を授与 |
外国人叙勲 | ・国賓等の来日や駐日外交官の離任に際して実施する儀礼的色彩の濃い叙勲 ・我が国との友好の増進等について顕著な功労のあった外国人に対して実施する叙勲 |
文化勲章 | 我が国の文化の発達に関して顕著な功績のあった者に対して授与される勲章 |
授与される勲章の種類には、大勲位菊花章 (だいくんいきっかしょう)、桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)、旭日章(きょくじつしょう)、瑞宝章(ずいほうしょう)、文化勲章(ぶんかくんしょう)などがあります。
褒章の種類には紅綬(こうじゅ)、緑綬(りょくじゅ)、黄綬(おうじゅ)、紫綬(しじゅ)、藍綬(らんじゅ)、紺綬(こんじゅ)の各褒章があります。
それぞれの褒章に対象者が定められており、例えば紅綬褒章は「自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した者」、緑綬褒章は「自ら進んで社会に奉仕する活動に従事し徳行顕著である者」などとされています。
● | 紅綬褒章 こうじゅほうしょう |
自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した方を対象 |
● | 緑綬褒章 りょくじゅほうしょう |
ボランティア活動に従事し顕著な実績を挙げた方を対象 |
● | 黄綬褒章 おうじゅほうしょう |
農業、商業、工業等の業務に精励し他の模範となるような技術や事績を有する方を対象 |
● | 紫綬褒章 しじゅほうしょう |
科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方を対象 |
● | 藍綬褒章 らんじゅほうしょう |
会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方又は国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した方を対象 |
● | 紺綬褒章 こんじゅほうしょう |
公益のために私財(500万円以上)を寄附した者を対象 |
上に挙げたように、勲章・褒章には様々な種類があり、それぞれに対象者が定められています。受章者へ電報を贈る際は、どの章を受章されたのかを事前に確認しましょう。
なお、勲章・褒章の種類と、それぞれの授与対象については、内閣府のホームページに詳しい説明が掲載されています。
電報を手配する際は、受け取ってもらうことのできる場所と日時を事前に確認しましょう。自宅や勤務先へのお届けが一般的ですが、祝賀会などに送る場合は、その会場で受取が可能かを確認してから手配をすると、配送上のトラブルなどを避けることができます。
叙勲・褒章を受けた方へ贈るメッセージの文例を紹介します。これらを参考に、相手とのご関係などから、文章をアレンジしてメッセージを作成していただけます。
※文中で「●●章」となっている部分は、実際に受章された勲章・褒章に置き換えてご利用ください
叙勲・褒章のお祝いにおすすめの祝電台紙をご紹介します。